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過去絵
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夢をみた。
なんとも言えない形の奇妙なモノ。
人なのかそうでないのかわからない。
ただ口だけが赤々と、光っていた。
その口は優しい言葉を、甘い言葉をささやいた。
わたしはその言葉に安心し、癒されるのを感じた。
それではないなにかが言った。
アレの言葉を聞くな。
さもなければおまえの心は深い絶望と闇色に染まるだろう。
なんのことを言っているのかわからなかった。
でも足はそれに向かって歩いていた。
口はささやくのをやめなかった。
わたしの足がそれに近づいた時、それは言った。
「イッショニ・・・・」
見上げるとそれと同じようなモノが数体、いや数えきれない程にたくさんいた。
同じように口だけがある生き物
口しかない生き物
わたしは走りだした。
急に怖くなった。
少しでも離れようと力の限り走った。
しかし、だいぶ走ったはずなのに少しも進んでいないように
すぐ後ろで口がまたささやいた。
「イッショニ・・・・・・・・・」
口はにっこりと笑った。
恐怖で声がだせなかった。
逃げる足も一歩も動かなかった。
視界が暗い闇色に染まった。
ふと気が付けばそれの背中がみえた。
風も感じた。
それの向こうには一人の青年が見えた。
・・・・・。
絶望がわたしを包んだ。心が何も考えられなくなってからっぽになった。
いつのまにか、わたしもそれと同じ口だけのモノになって青年を追っていた。
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